こんばんは、獣医師の林です。
さて、今日は誤飲誤食について。
誤飲誤食してしまった際、それぞれ考えられるリスクとしては
・鶏の骨や串・楊枝:消化管穿孔
・ポンセチア:葉や受益に含まれるフォルボールという成分による中毒症状(下痢、嘔吐、口周囲のただれ)
・電池やボタン:窒息、消化管閉塞
などが挙げられます。
では、もし誤飲誤食をしてしまった場合にはどうしたらよいでしょうか?
食塩水やオキシドールを飲ませたり、吐かせようと体をむやみに動かすといった行為は、命をより危険にさらす可能性がありますのでNG!!
まずは一度冷静になり、すぐにかかりつけの病院を受診するか、夜間であれば救急に連絡をしましょう。
その際、『いつ、どこで、何を、どのくらい食べたか』を伝えることが重要です。
誤飲誤食した物やサイズ感によっては、何も処置せずに自然に排便として出てくるのを待つ場合もあります。
また、誤飲誤食をしてからどのくらい時間が経っているかで、吐かせる処置(催吐処置)が適応できるか否かが変わります(食べたものによって催吐処置が難しい場合もあります)ので、『いつ』がわかる場合には、必ず伝えるようにしましょう。
そして、異物を詰まらせて窒息しかけている場合には、まずはご自宅での応急処置が大切です。
異物が取り出せそうなときには、舌を引っ張り出して気道を開き、ピンセットなどでゆっくりと取り出しましょう。
異物が固く、ピンセットなどでつまんで出せない場合には、頭を下にして持ち上げ、背中をたたいたり振ったりしてみてください。
持ち上げることが難しい大型犬さん、超大型犬さんの場合には、肋骨の下あたりを押すことで、吐き出すことができる場合があります。
色々対策を講じていても、100%誤飲誤食を防ぐのは難しいですよね。
万が一、誤飲誤食をしてしまった際には、ご自宅で何かしようとしないことが大切です。
そして、連休などタイミングによってはかかりつけの病院さんがお休みというケースも多いはず。
診察を行っている動物病院リストを作っておくと、何かあった時にも焦らず落ち着いて連絡が取れると思いますので、是非近隣の動物病院さんを調べておいてください。
この記事を書いた人
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獣医師
林美彩 先生