こんにちは、獣医師の林です。
最近急にぐっと冷え込んできましたが、ご自宅のワンちゃん、ネコちゃんのご体調はいかがでしょうか?
今回は寒さ対策と同じくらい重要な『乾燥』対策についてお話したいと思います。
秋冬の乾燥
秋・冬は空気が乾燥しやすい季節。
雪の降る地域の場合にはある程度湿度がありますが、それ以外の地域では思ている以上に乾燥しており、またお部屋の中は暖房器具の使用でさらに乾燥した状態です。
今年度は暑い日が続いたと思ったら突然寒くなったりと、気付いたら冬に突入していた…という感覚の方も多いかもしれません。
そのため、空気の乾燥も気付きにくかったかもしれませんね。
空気が乾燥すると、その影響で皮膚も乾燥しやすくなり、今まで問題なかった子でも、フケが見られやすくなったり、痒みを伴ってしまう場合もあります。
東洋医学でみる乾燥
東洋医学的に見た場合、乾燥は『肺』を傷つけます。
『肺』は潤いを好む臓器なので、乾燥した空気が体内に入ってくることで咳や痰などの呼吸器症状が起こりやすくなります。
そして、東洋医学では『肺』と『皮膚』はリンクしているのです。
というのも、『皮膚呼吸』という言葉があるように、皮膚も呼吸器の1つと捉えることができるため、乾燥(燥邪)の影響を受けやすくもあるのです。
また面白いことに、『肺』は『大腸』ともリンクします。
『便秘がちな人はお肌の調子が悪い』という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、大腸は西洋医学的には水の再吸収を行う場所。
体内が水分であふれかえっていれば、余剰水分を排泄するために下痢となりますし、水分が足りていない時は排泄されないように便秘となります。
腸内環境の善し悪しもありますが、便秘の方は空気の乾燥が影響しているかもしれません。
つまりは、乾燥対策を行うことは呼吸器のケアだけでなく、皮膚や大腸のケアにも役立ちます。
乾燥対策
加湿
簡単にできる対策としては、加湿器を使うこと。
お部屋の湿度は50~60%程度が良いとされていますので、ご自宅の湿度を確認し、乾燥している場合には加湿器で潤いをプラスしてあげましょう。
加湿器がない方は、濡れたタオルや洗濯物を干すだけでも、湿度upすることが出来ます。
食事
水分摂取という点も重要ですが、薬膳的には『潤肺』と言って、肺を潤す作用を持つ食材があります。
代表的な食べ物だと梨、リンゴ、レンコン、里芋、山芋、白きくらげ、白ごま、バナナ、豆腐などが挙げられます。
皆さん食材の想像をしてみてください。
何か共通点がないでしょうか。
そう、『白い食べ物』です。
白い食べ物には体を潤す作用があるものが多いため、上記の食べ物が覚えられない!!と言うときには、『白い食べ物』と覚えてみてください。
イリオスマイルの製品で乾燥対策でお勧めなものがいくつかあります。
米粉と自然素材のクッキー クポノ-Kupono- りんごと菊芋
りんごだけでなく、原材料にあるアーモンドも身体を潤す効果があります。クッキーなので乾燥しているため、水分補給も忘れずに行ってあげてください。
フリーズドライ豆腐
フリーズドライ製法なのでお豆腐の栄養をそのままに召し上がっていただけます。おやつとしてそのままあげることはもちろん、お水で戻せば同時に水分補給もできます。
これからもしばらく乾燥が伴う季節。
お部屋の湿度、食べ物の見直しでも落ち着く呼吸器症状、皮膚症状、消化器症状も出てくると思います。
目の前の我が子の状態を見て、乾燥が影響しているような場合に取り入れてみてください。
この記事を書いた人
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獣医師
林美彩 先生